■終点:寺泊大町(てらどまりおおまち)
豪雪の明くる日、雪降り止まぬなか、色なき越後平野をひたすら走ってきたバスは、最後に小さな丘を越えると、日本海広がる寺泊の町へと入っていきます。
ここ寺泊は佐渡路の三国街道終点の宿場町として栄えたところです。また、古くは上杉景勝による兵糧輸送の中継港として、近世では北前船の寄港地として、海上交通の要衝でもありました。
そしてなにより寺泊と言えば佐渡への渡海港でありましょう。
遷御先の佐渡でその生涯を終えた順徳上皇しかり、日蓮上人しかり、佐渡配流とは、ここから対岸の赤泊に渡るものだったのです。
海に面したバス転回場の近くにある防波堤からは、対岸にぼんやりと霞む佐渡島が見渡せます。
あたりは相変わらず雪降りなものの、いつの間にか西の雲は薄くなり、夕日で染まる美しい島影が眼前にひろがっていました。
失意のうちに佐渡海峡を渡る流刑人も見たのでしょうか。幻想的な景色です。
■路線概要
長岡駅と寺泊、またその先にある大野積を結ぶ路線です。
長岡~寺泊間は平日10往復・所要60分、 寺泊~大野積間は同じく8往復・15分です。
廃止された越後交通長岡線(鉄道線)の代替路線でもあり、特に与板以西では鉄道時代とほぼ同じ経路をたどります。
(25年1月訪問)
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