横河原駅から東進してきたバスは、桜三里の中ほどで小松街道に別れを告げ、渓流沿いの狭隘路を注意深く走り抜けていきます。
この区間は多くの伊予鉄バス運転士さんが声を揃えて「腕の見せ所」とおっしゃるだけあって、路肩にバス停ポールを建てるスペースがない(※)ほどに狭い道路を、小型バスにも関わらずガードレールに付かず離れずで進んでいくのです。
(※)電柱やガードレールにラミネート加工された紙の時刻表が直接貼り付けられています。
目指す終点・海上は名前に反して山深いところで、石鎚山の高峰とそれに続く山々をひかえ、停留所より上流1キロメートルにわたる滑川渓谷は市名勝に指定されています。
滑川渓谷は特に氷柱の名所として知られていますが、この路線は山間部の気候に道の狭さが相まって、積雪や路面凍結による冬季運休が伊予鉄で最も多いそう。氷柱が美しい大寒波の朝などは、残念ながらバスが走らないやもしれませんね。
松山から1時間ほどとは思えない、四国随一のスリルを感ずる名路線でした。
(ここほどポンチョが似合わない路線を他に知りません) |
海上と川内バスターミナル間は土曜平日のみ4.5往復のダイヤで、うち一部は横河原駅や見奈良駅、東温市役所まで足をのばします。
長らく平日のみ3往復の運行でしたが、東温市の地域公共交通政策による社会実験として、平成23年より24年度末まで試験的に増便が行われています。
なお、小松街道と別れる落出-海上間が自由乗降区間に指定されています。
(24年8月訪問)
0 件のコメント:
コメントを投稿