2013年3月15日金曜日

【バス終点】瀬戸内海交通/宗方線

■終点:宗方港(むなかたこう) 路線図(この一部[宮浦~宗方]です)
芸予諸島で最も大きな大三島。
その中心・宮浦から、南へと西岸の集落を結びつつ走ってきたバスの終点が、島の西南端にあり海に飛び出るように築かれた宗方の港です。


宗方は、潮の流れが緩やかな天然の良港として古くから知られていました。港のまわりをとりかこむ島々が、さながら天然の堤防の役割を果たしているのだそうです。

それを裏付けるよう、当地には航海や潮流と結びつく伝説が多く残されています。

たとえば、当地の八幡神社は、神功皇后三韓征伐のおり、土地の若者が海上案内をしたことに所以があるとされ、また宗方という地名についても、福岡県・宗像神社から神木が流れ着いたことから名付けられたとの言い伝えがあるのです。


しまなみ海道によって島々が繋がった今でも、今治との間が船で結ばれており、このバスも汽船受けのダイヤで走っています。 
来島海峡大橋が架かる以前と変わらないままの、時間が止まったかのようなローカル路線と言えましょう。

とはいえ、やはり架橋の陰で、それまで島の交通を担っていた航路は縮小が続いています。
大三島においても、寄港する航路は本州・四国方面にそれぞれ1航路ずつ残るのみとなってしまいました。

そう、実はここ宗方は伝統の今治航路が発着する島最後の港なのです。

どうかこれからも船受けのバスが走り続けますように。
そこには高速道路とは異なる、のんびりとした時間が流れているのです。


■路線概要
瀬戸内運輸の子会社、瀬戸内海交通の島内ローカル路線です。
宮浦~宗方間は平日・休日問わず13往復のバスが同じ時間に走ります。
昭和46年、瀬戸内海交通によって開設。大三島営業所管内線。
13往復の通常便とは別にスクールダイヤ便(一部のみ一般乗車可/野々江バイパス経由あり)もあり。

(25年3月訪問)

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